蹴飛ばされて 転がってく 空き缶とかわらない毎日

孤独との闘い 〜モトクロス7日目〜

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「なんで誰も来ねーーーー!?」確かに午前中は雨降ってたけど、いい天気だし、コースも思ったより水はけが良くてナイスなコンディションなのに。来る途中に全員ウィッキーさんに捕まったとしか考えられない。誰もいないとなると勝手に走っていいものか不安になるのでとりあえず先週ひどかった轍を適当にスコップでガシガシしながら時間をつぶす。一時間くらい経っても誰も来ないので一人でもいいやと練習を開始、8の字をはじめる。「…あれ?俺下手になってね?」先週掴んだはずの感覚がどっかにいってしまっている。進行方向へ体の向きを変える→シッティングがやたらギクシャクする、車体の傾きと体を外側に出しての加重とのバランスが感じられない、もう倒れそうっていう所から立ち上がるアクセルワークもうまくいかない…。一週間空いただけ(日曜→金曜)でこんなになるものか?そりゃすんなり上手になれるとは思っていないけどひどすぎる!ということで原因を探ると前回との違いは『見ている人がいる』って所じゃないかと思う。誰かが見ているとわかるとそりゃちょっとは良い格好しようとするし。ヘタクソなことを外的要因のせいにしようとしているけど要するに「集中してない」ってことじゃん。「じゃあ集中すれば全部上手く行くのかよ」って事でひたすら練習してみたけど多少マシになったとはいえ先週ほど上手くいかない…。「先週のはマグレで今の俺の実力はこんなもん」と思い込むのが精神衛生的にはよろしい気がしてきた。
8の字は一旦置いておいて別の事もやってみようと思い、直線→下り→ターン→上りの練習をしてみる。下ったところの土が柔らかいので結構思い切りよく突っ込めるのも嬉しいし、なにより課題のひとつだったブレーキの練習になる。ビビッて早めに踏んだり、すぐフルロックしたり、遅れすぎて大回りになりすぎたり、意思に反して引きずりすぎたりと色んなパターンで失敗するけど、スリップダウンの直前に「違う、先週はもっと外に乗ってたし顔も前向いてた」と徐々に感覚を取り戻してきた。なによりズバっと曲がれて上りでズバッと飛び出せたときは気持ち良い。テンションも上がってきたところでひたすら繰り返していると、以前コメントをくれたショウさんとその後輩の方がやってきた。
話を聞くとショウさんはかつてプライベーターとして全日本を転戦し、IAに上がったところでモトクロスを一旦やめ、今は趣味で走っているというけど、なんていうか伝説上の生き物?というくらい自分にとっては雲の上の存在だった。後ろから走りを見てもらったり、色んな話も聞けた。モトクロスが今より盛んだった時代のこと、周りの人がバイクを降りていくときのこと、事故やケガの事…。雑誌やネットではなかなか知りえないリアルな現実。後輩の方は自分のマシンを持っておらず、引越しを考えているなど「自分がモトクロスをやってやるッ」って決めたときの状況に似ていたり(走るのも7回目らしくここまで自分と一緒)して、ある意味これも現実だ。それでも会社の先輩にこんな人がいるだけでもの凄いアドバンテージだぜ、羨ましい。それにしても今まで一緒にバイクに乗る友人がいなかった自分にとっては、誰かと共通の趣味を通じて凄い話から他愛のない話まで出来るってのはこの上なく貴重で楽しい時間だった。この場でお二人にお礼を言いたい、どうもありがとう。